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揚羽蝶の飼育 |
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年中担任
六月に、クラスに「新しいおともだち」が加わりました。「揚羽蝶の幼虫」です。 まずは、クラスにある「アゲハ」の絵本を見て、幼虫の飼育の仕方を調べ、住みやすいお家を作りました。最初の頃は幼虫のことを少し気味悪がっていた子ども達も、だんだん興味が出てきて、私が飼育箱の掃除をしているときに 「先生、ちょっと触らせて」 と恐る恐る触るようになりました。すると、徐々に 「プニプニしてて、触ると気持ちがいいし、なんだかかわいいね」 と、なかよしになってきました。そのうち、朝登園してくると、私に挨拶するよりも先に飼育箱に様子を見に行くほど気になる存在になり、幼虫にクラスの名前をつけるとますます愛着がわいてきました。 しばらくすると幼虫がエサを食べなくなり、さなぎになりました。さなぎを見た子ども達は、 「いつになったら蝶になるの?」 「夏休みになっちゃうよー」 「早く蝶にならないかなあ」 と、羽化する日を待ち遠しく思っていました。
子ども達の願いが通じたのか、一学期の終業日、子ども達の見ている目の前で羽化が始まりました。さなぎの皮から出てきたときは、しわくちゃの羽で、 「本当に空を飛べるようになるのかな?」 と不安になるほどでしたが、五分もたつと羽が完全に開き、飼育箱の中で羽を乾かして一~二時間すると羽を動かし始め、飛ぶ動きを始めました。そして子ども達と話をして「のびのびと飛んでもらおう」と、外に逃がすことにしました。みんなで見守りながら大事に育ててきた蝶が、空に向かって飛んだ瞬間、全員から 「わあ~!」 と歓声があがり、 「元気でね!」 と、蝶が見えなくなるまで手を振り続けました。私も、子ども達も、胸がいっぱいでした。
今でも、揚羽蝶を見つけると、あの蝶が遊びに来てくれたのかな?と思うほど、印象に残っています。 |
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