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先生のおにぎりちょうだい! |
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年少担任 一枚の葉っぱを片手に、年少児のS君が担任の私のところに来ました。 「はい、100円です」 私がそう答えると、持っていた葉っぱを私にくれました。 S君はとても嬉しそうに、泥だんごのおにぎりをみつめ、お友達にも自慢げに見せびらかしていると・・・ 「Sくん、いいね」 「これ、せんせいからかったんだよ。こうやってつくってたよ・・・」 手真似もニギニギ・・・おにぎりをにぎるようにしていたら・・・ 「あっ、こわれちゃった!」 まだ力加減のわからないS君は、うれしさのあまり、とても強く握ってしまったのです。S君は次の瞬間、砂場からいなくなっていました。少し心配な気持ちで見守っていましたが、しばらくして、S君は新しい葉っぱを拾って私のところに来たのです。 「せんせい、こんどは大きくて壊れないのね!」 再度のおにぎりのリクエストに具体的な注文つき!これには私も思わず笑ってしまいました。
S君に応えて、直径10cmくらいの大きな大きなおにぎりをあげました。S君は満足気。小さな手で大きなおにぎりをやさしくつつんでいました。大きすぎてお得意のニギニギはできなかったけれど、その姿はまるで赤ちゃんを抱っこしているお母さんのようでした。
それからしばらく、S君は砂場に行くと必ずおにぎりつくりにチャレンジし、今では自分でも小さなおにぎりを上手に作れるようになりました。
幼児に携わる者として、子どもの発想力の豊かさにはいつも驚かされます。それに加えて「できるようになった」ひとつひとつの成長は、わたしにとっても大変嬉しいできごとです。これからも、幼児と同じ思いを共有し、楽しい幼稚園生活を送れるようにしていきたいです。
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