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三十五人でがんばるぞ! |
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年長担任 「新しいお友達ができるかな・・・」 「お兄さんお姉さんらしくできるかな・・・」 自分のことで精一杯で、他のことに気をまわす余裕がありませんでした。
五月に入り、幼児達が新しいクラスにもなれてきた頃、小運動会の練習が始まりました。その練習の中で一番苦戦していたのは綱引き。小柄な幼児の多い我がクラスは、どうしても引きずられてしまい、何度やっても全敗。 「また負けちゃった」 そこでみんなでどうしたらいいか、改善策を話し合ってみました。 「筋肉モリモリになる!」 「集中する」 「もっと頑張る」 ・・・様々な意見が出たところで、一つ大きな目標を掲げることにしました。それは「三十五人全員で一生懸命取り組む」ということです。心を一つにして取り組むことが何より大切ではないか、とみんなに話しました。そしてクラスで内緒の秘密の練習を重ねました。
いよいよ小運動会の当日。ちょっぴり緊張する中、笛の合図で綱引きがスタート! 「オーエス!オーエス!」 今まではあっさり勝負がついていたのに、この時は接戦になりました。どの幼児も汗を光らせ、力いっぱい頑張って、 「もう少し・・・もう少し・・・」 というところで惜敗。もう少しだったことで、負けた悔しさが倍増、残念がる幼児達の中で、 「一生懸命やったよ!頑張ったよ!もう少しだったんだよ!」 とAちゃんの一言。それを聞いた他の幼児も 「みんなで頑張ったから気持ちよかった」 「負けたのは仕方ないけど、楽しかったよ!」 ・・・と充実感にあふれた言葉が出てきました。最後は大きな拍手でみんなニコニコ。頑張ってよかったな~と心の底から思える貴重な経験となりました。
それからというもの、クラスの中では何かあるたびに、大きなことは「三十五人で頑張る!」と、日々団結を高めています。苦手だった遊具の片付けも、「♪三十五人で手伝って~」と、幼児達が作ったオリジナルの掛け声にあわせて、楽しみながら行える様になりました。みんなで取り組むことの楽しさ、すばらしさ、・・・こういったことをたくさん味わいながら、心温かい人間へと成長していくように、これからも指導援助をしていきたいと思います。
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