学校法人 雀村学園 鵜ノ木幼稚園

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アゲハチョウの飼育

年長担任



 七月のよく晴れた日、アゲハチョウが青空に飛んでいくのを幼児達と見送りました。クラスでかわいがり、育てたアゲハチョウ。

 初めてクラスに黄緑色の幼虫の入った虫かごを置いた日、まず登園してきたAちゃんが
「あ!アゲハの幼虫だ!うちのお兄ちゃんも育てているんだよ」
他の幼児もみんな興味津々。
 その日から、クラスにある「昆虫図鑑」や「飼育と観察の図鑑」を調べながら、アゲハの飼育を開始。
「どの種類かな?」「これに似てるよ、これだよ」
「何を食べるのかな?」「へえ、種類によって食べる葉っぱが違うんだ!」
「…最初から黄緑じゃないんだね、生まれたときは鳥のふんみたいな色なんだね」
「どんどんかわを脱いで大きくなるんだって」
…みんなアゲハ博士のようになりました。

 ある朝
「幼虫が一匹いないよ!」
とBちゃんの声。これは大変。虫かごのそばや、とりかえた葉っぱを捨てたごみばこまで、いろいろ捜してもみつかりません。みんなで一緒に探していると、…
「先生の椅子の下!!」
「よかったね、みつかったよ!!」
幼虫を触れないと怖がっていたBちゃんが、感激のあまり思わず取ってくれました。
「なんだ、Bちゃん、幼虫さわれるじゃない!」

 やがて幼虫はだんだん動かなくなり、さなぎになりました。
「いつ羽化するのかな、ちょうちょになるところをみられるかな?」
とみんなで心待ちにずっと過ごし、二週間ほどたったある朝、
「あ、ちょうになったよ!」
「きれいな羽!」
「ねえ、せまい虫かごより、広いお空の方がうれしいよね!」
「そうだね」
と、みんながそろったところで、一緒に空に帰してやりました。


 アゲハチョウの飼育を通して、幼児が「自分で調べてみよう」と知的関心を刺激されるのを見て頼もしく思えました。また、生き物をかわいがりいつくしむ姿を見て生命の大切さを自然に幼児が学んでいる様子を実感しました。

   
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