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蝶とのふれあい |
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年長担任 「ねえ、何が入っているの?」 「蝶だよ。アゲハ」 見ると中には、その朝羽化したばかりだというアゲハチョウがいました。 Aちゃんは幼虫の頃から家でかわいがり、担任の私にも 「たくさん食べるんだよ」 「大きくなったよ」 「動かなくなった。もうすぐだよ」 ・・・と、よく話をしてくれていました。 かえったばかりのアゲハは、小さいながらも羽の模様がはっきりしていて、とてもきれいで立派に見えました。
クラスの友達も、登園してすぐに水槽の周りに集まり、興味津々でいろいろな角度からのぞきこみました。その間もAちゃんは、チョウを守るかのように水槽を抱えていました。 「どうしてこのチョウチョ動かないんだろう?」 「ちょっとだけ水槽をたたいてみようか」 との友達の言葉に、Aちゃんは言いました。 「だめだよ!チョウチョがびっくりしちゃうよ。チョウになったばっかりなんだよ。目で見て、かわいがってあげるんだよ」 「そうだね。たたいたらびっくりしちゃうよね」 と、友達も気づくことができました。 しばらくすると、水槽の中ではばたいたり、少し飛べるようになってきました。みんなほっとした様子でした。
その後、チョウはクラス全員が見守る中、Aちゃんの手から空に飛び立ちました。 「わーっ」 と歓声があがり、 「元気でねー!」 「お母さんに会えるといいね」 といつまでも手を振っていました。Aちゃんも 「また会おうねー!」 と、大きな声をかけていました。
チョウと触れ合う中で感じた、生き物を大切に思う気持ちは、言葉だけで伝えるよりもずっと深く子ども達の心に届いたのではないかと思っています。これからもこの気持ちを忘れずに成長していってくれたら、と思わずにはいられません。
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