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気長に待つ |
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年少担任
今年も新入園の年少児は、当初数人に泣きが見られましたが、一週間もすると幼稚園での生活に馴染み、ほとんど泣きが収まりました。そんな中で、泣きがいつまでも収まらない幼児がいました。 この手の『泣き』、入園前の母子関係がしっかり築けているからこそ 「おかあさんがいい」 と訴えて泣いているとも言えます。保護者が無理に止めたり、逆に『そんなに泣くなら』と幼稚園を休ませたりするのは、逆効果になることを保護者に伝え、『気長に待ちましょう』と励ましました。 さて、その幼児ですが、家を出る前から泣き続け、母親がなだめすかして、毎日何とか登園はしてきます。でも、クラスに入ると今度は 「いつになったらかえるの?」 「おかあさんにあいたい」 などとずっと訴え続けます。そこで、(入園前からの)仲良しさんと接触させたり、いっしょに好きな遊びをさせたり、・・・見守りながらいろいろしてみる内に、少しずつですが泣いている時間が短くなってきました。 ある日、またいつものように泣いて登園してくるんだろうなあ、と朝待っていると、大きな声で元気に「おはよう!」と登園してきました。意外で、驚くやらうれしいやら。 「先生、もう泣かないよ。がんばる」 との言葉も聞きました。いったい何があったのか?あわてて母親に尋ねてみると、昨夜自分から 「もう明日から泣かないで幼稚園に行く」 と宣言したとのことでした。それからというもの、今まで見たこともない笑顔で、元気に友達と遊べるようになりました。
たとえ毎日泣いていても、本人は確実に一歩ずつ成長していたわけですし、また途中であきらめずに励ましながら気長に見守っていた母親の努力もありました。 幼児を信じて、後押しできるよう「気長に待つ」ことの大切さをあらためて思い知らされました。
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