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緊急事態発生? |
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年中担任
「残さずに、こぼさずに、よく噛んで静かに頂きます」 「いただきます!」 と、いつもの様に元気な声が響き渡った直後のこと、 「先生!先生!!」 普段大声を出さないDくんが、少々震え気味の声で隣のCちゃんを指差していました。急いで行って見ると、Cちゃんは、弁当箱の中にすっぽりと顔をうずめて動かない状況でした。『大変だ!!』すぐにCちゃんを抱きかかえ、大声で名前を呼び、鼻や口に手を近づけて呼吸の確認、胸に耳をあてて心臓の鼓動の確認をしました。周りの幼児も心配そう。『呼吸はあるし、心臓も動いている、顔色も悪くない』もう一度、顔に耳を近づけてみると、・・・ 「スー、ピー、スー、ピー・・・」 ん?寝ているの?と体を揺さぶって名前を呼ぶと、うっすら目が開き、大あくび。これには私も目が点になり、あっけにとられて言葉が出てきませんでした。周りの幼児たちも、何がおこったのかわからず、目をパチクリ。 「な~んだ、Cちゃん、寝てたの?びっくりした」 と私が声をかけると、 「はぁ~、びっくりしたな~」 と周りから大きなため息。それと同時にどっと笑いも起こりました。 当の本人はまだ寝ぼけていて、何がおきたのか全然わかっておらず、また目を閉じて深い眠りへ。仕方なくベッドに寝かせました。 その後二十分過ぎた頃、突然Cちゃんがむくっと起き上がり、 「お弁当食べる」 と一言。何事もなかったかのようにムシャムシャ食べ始めました。すっきりしたせいか、いつもより食べるスピードも早く、ぺロリと全部食べてしまいました。
以前からお弁当の途中で眠いと訴えたり、こっくりしたことはありましたが、食べる直前に弁当箱の中へ顔をうずめてしまう程深い眠りにつくとは・・・。その後は、Cちゃんを始め幼児たちは体力もつき、もうそんなことはなくなりました。でも、その時の、本当に息ができない位の驚きは、今でも鮮明に覚えています。
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