学校法人 雀村学園 鵜ノ木幼稚園

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楽しみだな!

年中担任



 食が細いお子さんをお持ちだと、

「おかず、何だったら食べるのかしら?」

と考えた末、

「○○はうちの子の好物だから」

といつもそればかり・・・そんなご家庭は少なくないと思います。だって、もりもりよく食べる子どもの姿を見るととてもうれしいのは、親なら当然ですからね。だからと言って、そればかりだと、困ることもあるかも知れません・・・。

 

 「ぼく、もう食べられないや」

とAちゃんの声がするので見ると、給食弁当の4分の1ほどしか手をつけていません。

「もう少し食べようよ」

と声がけすると、顔をしかめて、からだを震わせるような仕草でおかずを飲み込んでいます・・・。

 Aちゃんは、野菜や果物全般が不得意で、家では食べやすいポテトフライしか食べないとのこと。そのため、一学期のはじめは、野菜のたっぷり入った給食弁当のある日は少し憂鬱そうで、上のような光景をよく目にしました。

 

 給食弁当は、家庭とは違う味のもの、食べたことのないもの、好きなもの、嫌いなもの、・・・いろいろなものが入っているため、得意ではない幼児もいるので、みんなで楽しく、いろいろなものを、まずは一口から食べてみよう!を目標にして、互いに励ましながら取り組んでいます。

「せーの!」

で食べてみたり、食べられたお友達を拍手でほめたり、・・・。

 

 そんな中で、Aちゃんは相変わらず震えながら野菜を食べていましたが、六月の後半から少しずつ変化が現れてきました。お母さんの手作り弁当の日、お弁当の中に野菜がちらほら・・・。

「食べられるようになったから、野菜を入れて!」

と、自分でお願いしたそうです。少しずつでも給食弁当で食べられたことで、

「何だ、食べられるんだ・・・」

という気持ちになってきたようです。まだ、『野菜大好き!』になるのは時間がかかりそうですが、ひとつひとつ乗り越えながら、

『嫌だな・・・』

から

『楽しみだな!』

に変わってくれるといいな、と期待しています。


   
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