年中担任
幼稚園生活でまず始めにすること、それは「挨拶」。
四月、新しいクラスの期待や不安を胸に登園してきた子どもたち。そんな子どもたちに笑顔で「おはよう!」と声をかけると、元気良く「おはよう!」と返ってくる子ども、なかなか言えないでもじもじしている子ども・・・いろいろです。言えないのは、初めて見るともだちや初めてことばをかわす私達保育者に不安を抱いているからで、そんな子どもたちも、ともだちができ、私達保育者との信頼関係を持てるようになることで、自然と自分から「おはよう」と言って登園してくるようになっていくものです。
ところで今年、私のクラスには一学期の間、朝の「おはよう」が聞けなかったAちゃんがいます。Aちゃんは、ともだちとの遊びの中では信じられないくらい大きな声で会話し、活発にあそんでいます。ところが私達保育者と一対一に向き合うと口を結んでしまいます。ともだちと一緒になって「折り紙ください」「お庭に行ってきます」・・・といいに来ることはできるのですが、朝の挨拶は何となく言いづらい気持ちだったようです。
Aちゃんはお昼ころからはとても活発なのに、朝の表情が固いことから、寝るのが遅くて朝が苦手なようです。そこで、無理におはようを言わせるのではなく、自然に言えるようになるようにいろいろ工夫をしています。例えば「おはよう、けさは何を食べてきたのかな?パン?」と聞いたり。Aちゃんはうなずくか、首を横に振るだけですが、朝のコミュニケーションはとれるようになりました。
これからも長い目でAちゃんと接していきたいと思っています。
「挨拶」は人と人との気持ちをつなぐ大切なコミュニケーションであり、また基本的なマナーです。子どものうちでも、大人になっても、ずっと大切なこと。鵜ノ木幼稚園では、「おはよう」だけでなく「ありがとう」など、挨拶を丁寧に気持ちを込めて言える様に指導しています。それが子どもたちに自然に身につくように、これからも援助をしていきたいと思います。
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