学校法人 雀村学園 鵜ノ木幼稚園

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魔法をかけよう

年少担任





 四月、おうちに帰りたいとポロポロ涙を流す子、大きな声で「ママー」と叫んでいる子、無心に自分の遊びに没頭している子、…いろいろでとてもにぎやかです。

 保育室の中をよく見ていると、泣いている子の涙を見つけては自分のハンカチを取り出して拭いてあげている子、「よしよし」と頭をなでている子もいて、まるでお兄さんお姉さんのようで微笑ましい光景です。


 さて、時が経つに連れ、泣きもおさまりだし、泣いていた子と涙を拭いてあげていた子が一緒に遊んでいるような姿を目にするようになります。


 五月、「おはよう」のあいさつも大きな声で言える様になります。子どもどうしでも
「○○ちゃん、おはよう!」
と手をパチンと合わせて挨拶する姿も見受けられます。
 バス通園で、後から来る友達の分のブロックを抱え、友達の登園を待っている子もいます。
 また、この時期になると、いつも挨拶しているお友達の姿が見えないと、
「先生、今日□□ちゃんはおやすみ?」
と聞いてくる子どもが増えてきます。

 そこで、朝の出欠調べの時に、誰がお休みなのか、なぜお休みなのかを確かめ合い、最後にお休みの子が早く登園してくるようになるといいね…と毎日言葉がけをしていたところ、いつの間にか、お祈りというよりもまるで魔法をかけるような子どもがあらわれました。
 その子はしっかり目を閉じて手を組み、しばらくしてその手を勢い良く伸ばし、「早く直れ~」と元気のパワーを送ります。はじめは周りの子は「何してるの?」という感じでしたが、だんだんにしぐさが浸透し、数人がやっています。


 3歳児の段階での生活のひとこまですが、このようなことが他の人に対する思いやりの心に育っていくきっかけになれば、と思います。それにしても、思い返すたびに微笑ましく、また心が豊かになる光景です。


   
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