年長担任
楽しかった遊びのあとは、おかたづけ。
おかたづけは、次の活動に移るために必ずしなければいけません。そして、大人になってからも大切な生活習慣です。おかたづけの力を身につけていくために、鵜ノ木幼稚園では、子どもたちに楽しくおかたづけができるように、そして自分でできるように、指導援助をしています。
楽しいおかたづけになるように、私のクラスで気をつけていることがあります。
第一に、上手に出来ることよりも、まず子どもたちが「楽しく」出来たと思えるようにすることです。
例えば、全部できなくても、少しでも出来たところを「○○のおかたづけが出来たね」、また少々おおざっぱになっていても「がんばったね」、…などと、工夫して声がけをしています。自分のしたことを認められてうれしく思った子どもたちは、「またおかたづけをしよう」と自然に思うし、「もっとがんばってみようかな」と次のステップへのきっかけになるとも思います。
もう一つは、「待つ」ことです。これはかなり根気のいる長期戦になります。
例えば、子ども個人の道具箱です。学期始めはきちっとなっていますが、だんだん「ぐちゃぐちゃ」になってくる子どもがいます。私は当然それに気がついているのですが、あえて私が整頓することはありません。待ちます。そのうち、
「(使いたい道具の)○○がみつからない」
「なんだか、つかいにくい」
などと訴えてきます。その時に、どうしたら困らないようになるかを伝えます。本当に困ったときは、子どもたちは一生懸命おかたづけに取り組みます。なかなかうまくいかないけれど、ここでも待ちます。そして全部自分でするようにします。最後まで出来たときに、
「きれいにすると気持ちがいいね、よかったね。」
と声をかけると、本当にうれしそうな顔になります。
これで子どもたちがみんなおかたづけ名人になるほど甘いものではありません。上で述べたようなことを何度も何度も繰り返して、いつか自主的に上手にできるように…と長い目で見ています。日々のおかたづけの仕方ひとつを見ても、子どもたちが少しずつ少しずつ成長していくのがわかります。
「楽しく」「待つ」をキーワードにおかたづけ、ご家庭でもいかがでしょうか。
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