年少担任
月・水・金の朝、鵜ノ木幼稚園のそばを通ると、音楽が聞こえてきます。体操の音楽です。
体操といえば、こんなことがありました。
入園後しばらくして、年少組さんも園庭で体操に参加するようになったときのこと。
「体操の時間ですよー。お庭にでましょう」
と声を掛けると、保育室から子ども達が出てきますが、ひとりA君が残っています。
「どうしたの?」
と尋ねると
「体操嫌だ」
と言って保育室から出てこようとしません。何かわけがあるのかと思い、きいてみたのですが、
「嫌だ」
という答えしか返ってきません。
この日は保育室から見学することにし、長い目で様子を見ることにしました。
次の週からは、自然に、園庭の隅にある赤いベンチに座って見学するようになりました。体操をしながらA君を見てびっくり。ベンチに座りながら体操していたのです。今まで、みんなが体操している姿をよく観察していたのだな、と感心してしまいました。
それからしばらくたった雨の日、保育室で体操になりました。
「みんなと一緒に体操しようよ」
と声を掛けようとしたとき、A君は自分から体操の列に入りました。自信を持って体操しているA君を見て、うれしくなりました。きっと自信を持ってできるようになるまで、見せたくなかったんですね。
A君、今では、「体操、楽しいね」と張り切ってやっています。
年少組さんは、自分の気持ちを的確に表現することがなかなか大変です。私も保育者として、これからも、子ども達の動きやことばから、その気持ちを十分にくんで理解しながら、いい方向に成長するように指導援助していきたいと考えています。
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