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「楽しみに待ってるからね!!」
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年中担任
現在鵜ノ木幼稚園では、新園舎の増設工事を行っています。九月には、新しい園舎での二学期が待っています。
工事に先立ち、砂塵防止や、園児の安全管理を考え、大きなベニヤ板で囲いをしたり、防音措置をしたり、また「近づいたり、触ったりしない」約束をしました。
工事期間と並行しての一学期ということなので、日常的に、いろいろな制約の中での保育が展開されます。
四月当初、子ども達も、作業音に驚いた様子でしたが、さすが順応性の高い子ども達。すぐに慣れ、工事の音にも負けない程の元気さを発揮しだしました。
しかし、そんなある日、遊んでいたAくんが、 「うるさいなぁ...。ぼくたちが遊ぶのに、声が聞こえなくなっちゃうよ。もう!!」 と、イライラした様子で、怒り出しました。この言葉を機に、クラスみんなで、話し合いの場を持ちました。 「今日はいつもより、工事の音が大きいね。」
「うん、ウルサ~イ!!」 「早く終わればいいのに!」 大半の子が、そう答えます。
「この工事は、何の為にしているの?」
の問いに、 「新しいお部屋を作るため。」
「そうだよね。 じゃあ、一体、誰の為のお部屋なんだろう?」
「...う~ん、僕達かなあ...。」
みんなの為に、工事の方が日々一生懸命に工事をして下さっていること。工事の方は、もっともっと大きな音を近くで感じていること。などを説明し、その上で、もし、みんなが「うるさい」と言ったらどんな気持ちになるかな...。
そう問い掛けると、口々に、
「嫌な気持ちになっちゃう。」 「悲しい気持ち。」 「もう工事したくなくなっちゃうかなぁ…。」 それぞれ考え込んだ様子でした。
工事を「騒音の元」としてマイナスに捉えるか、「楽しみ」としてプラスに捉えるか、気持ちの持ち方ひとつで状況は変化します。 私はやはり、子ども達にプラスの方向で感じて欲しいと思っています。
たとえば、ベニヤ板と保育室の間を秘密基地にして遊んだり、
「すみませんが、今日はちょっと大きい音と砂ぼこりがたちます」 と工事の方に言われた日には、朝からホールに移動して、ピクニック気分で一日を過ごし、 「なんだかトクした気分だね。」 と喜んだり...。 また、作業音が聞こえる中で保育を進めて行くなかで、どうしても声が通りにくくなるのですが、逆にひとりひとりが、保育者の話しをしっかり聞こう と、集中力が驚くほど高くなりました。 ときどき、ベニヤ板のほんの数ミリのすき間から、工事の様子をのぞきこむ姿をみかけます。
九月から、新しい園舎で過ごすことができるのを、楽しみにしています。
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