年中担任
ほとんどの子どもにとって、一番身近な存在の母親。子どもの心の状態は、母親の様子や母親との関わり方に左右されるんだなあ、と思うことがあります。
私の担任しているクラスのAちゃん。普段は活発な子なのですが、1学期のある時期、登園時にぐずったり、腹痛を訴える・・・ということがありました。
6月のある日、子ども達が帰り支度をしているときにAちゃんが突然泣き始めました。その直前に、片づけをしないことで注意を受けていたことがきっかけなのですが、泣きながら
「まだ遊びたい! 帰りたくない! ママなんて大嫌いだ!」
と言っていました。「ママ」が出てきたのは唐突だったので驚きましたが、あとになってよく考えてみると、どうやらお母さんに対する寂しさからのことのように思います。
Aちゃんのお母さんはお忙しいようで、帰りのお迎えが他の方だったり、週の数日は近所の方の家で留守番をしていたりと、Aちゃんにとってちょっとつらい気持ちになることが多く、少し不安定になっていたようです。日頃のAちゃんが元気そうな姿を見せていても本当は不安な気持ちいっぱいだったのだ、と思います。私は、お母さんがAちゃんとできるだけスキンシップを多くとってくれれば、と思うのですが…。
Aちゃんがせめて安定した幼稚園生活を送れるよう、いろいろ気をつけるようにしていますが、私が意識しているのは「幼稚園では先生がAちゃんのママよ」ということです。最近では、Aちゃんの自然な笑顔が少しずつ増えてきているような気がします。
私はAちゃんから、「子どもの幼稚園の生活が『母親』という大きな存在に支えられている」ことを改めて思い知らされたような気がします。
私はこれからも、Aちゃんをはじめ全ての子ども達が安定した心で幼稚園生活を送れるように、いろいろ考えて指導援助をしていきたいと思っています。
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