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戦いごっこ |
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年長担任
特に男児の遊びとして「戦いごっこ」が幼稚園でさかんに行われます。TVのヒーローになりきったり、新聞製の剣でチャンバラ・・・などというのはかわいい方で、つかみあったり、時には手や足が出たりすることもあります。これは動物の子ども達どうしが繰り返し繰り返しじゃれあいながら、友達(友情)を確認したり、ケンカの仕方や力加減を覚えたりするのと同じで、本能的なものだしある程度は必要なことと思います。ですから、「戦いごっこ」を始めても、ある程度自由にさせて見守るようにし、限度を見極めて必要ならば止め、またその後のフォローを適切にするように、注意しております。
ある日のこと、数名の男児が「戦いごっこ」を始めているので気に留めておりました。すると、エスカレートし始め、だんだんに標的を一人の子にして手を出し始めました。そのうち、一人が「もう止めてあげようよ」と言いましたがそれでもなかなか止めなかったので、保育者の私の出番となりました。 翌日、クラス全員にこのことを話し、何がいけないのか、なぜいけないのかを話し合いました。そしてこれに関わった子どもは正直に手を挙げるように話すと、一人がすぐに、それに続いて他の子どもも挙手をしました。彼らに状況を話させたところ、戦いごっこをしていたのに、いつの間にかそうなって止まらなくなってしまった、という意識だったようです。 私は彼らに、集団で一人に向かうようなことは卑怯で悪い事だと注意しました。そしてクラス全員に、戦いごっこやケンカで勝つことが強いことではない、本当に強い人は心の優しい人である、ということを諭しました。普段から言っていたことだったのですが、身近な実例ということもあり、今回はクラス全員に強烈に印象づけられたのではないかと思います。
幼稚園は子ども達が初めて集団生活を行う場です。その中では友達・先生とのふれあいの中で、善悪の判断、相手への思いやり、優しい気持ちなどを育む「心の教育」を大切にしています。私は子ども達のために、これからも日頃の保育の中で、子ども達の様子を注意深く見守りながら、適切に指導・援助をしていけるように頑張りたいと思っております。 |
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