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僕は魔法使い! |
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年中担任
担任をしていると、大人の私達には思いもよらないような子ども達の行動に驚かされたり、感心させられたり、・・・いろいろな意味で学ばされることが多いです。
* * * ある日のこと、A君とB君が窓ガラスにマーカーペンで落書をしているのを見つけました。保育者の私は思わず「あー!」と大声をあげてしまいましたが、二人はニコニコして「先生、ぼくたち魔法が使えるんだよ」と言って、ガラスに描いた絵を素手でササッと拭き取り「ほらね、すごいでしょう」。悪気が全くないばかりか、むしろ大発見をして自慢げにしている様子でした。私は笑いがこみ上げるのを必死で抑えながら、「窓にマーカーで落書するのはいけないことなのよ」と二人に注意をしました。 しばらくして、また「ぼくたち魔法が使えるんだ」と二人の声がしました。こんどはおともだち相手に自慢している様子。『さっき注意したばかりなのに』と思って見に行くと、二人は自分達の靴下へマーカーで水玉模様を描いていました。「何やってるの!?」と言うと、二人はきょとんとした表情。「また魔法で消すんだ」と言って手でこすり始めて「ほら・・・?」と、調子は良かったのですが当然消えないので焦って『どうしよう』と困惑した顔。「流しで水で洗ってらっしゃい」と指示をすると、二人は白くなるまで必死にゴシゴシと洗っていました。 一度経験すると納得したようで、自分から「もうしません」と言ってきました。 * * *
私はこの出来事では、子ども達の好奇心の強さ、発想の転換力に驚かされました。 子ども達のこのような良いところはつぶさず伸ばし、しかしやってはいけないことはしっかり伝える、という難しいジレンマがありますが、子ども達の成長をよりよいものにするために、いろいろな観点から考えて指導援助していけたらいいな、と思います。 |
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